青春舞台2022~松山東高校演劇部「きょうは塾に行くふりをして」を観た感想
え?今更?
とお思いでしょう。
知っている人は知っているでしょうが青春舞台って高校演劇の全国大会の番組なんですが
最優秀、つまりナンバー1になった高校の作品はノーカットで観れるんですね。
で、それが放送されたのが9/23
今日、10/13
録画しておいたやつを、ついさっき観れたんですわ。
遅~~~
うち、姉がTV占領しているもんだからなかなか観れなかったんですわ。
でも観ましたよ。
今年、日本一に輝いた高校生の芝居を。
もうね。
・・・感動した!
感想、書くつもりなかったけど
書かせてくれ
今回優勝したのは四国ブロック代表なんですね。
四国といえば、2018年だったかな?その年優勝した丸亀高校演劇部の「フートボールの時間」を思い出すな。
これも青春舞台で録画して何回も観てしまった。
四国はレベル高いのでしょうね。
んで、2022年の最優秀作品
「きょうは塾に行くふりをして」
タイトルが秀逸すぎる・・・
読んだだけで想像が膨らむ
この作品は演劇大会前日のリハでの出来事を描いた。
助っ人で参加してくれるみなと君が、塾をさぼって来てくれている、といった設定。
これ演劇部あるあるで、どこも人手不足だから他の部の子に手伝ってもらったりするんだよね。
大体裏方にまわる事が多いが、みなと君の場合、セリフなしのちょっとした出演での参加だったが。
部員と助っ人の温度差や、勝手の分からなさ具合がまたリアル~
他にも、音響が遅れて気まずい空気流れたりとか、経験した事あるわ
まさに演劇部あるある。
個人的に印象深ったのが
バミリのミス(笑)
ミス発覚後の、先輩が詰め寄るシーン、ああ心が痛くなる。
説教した側が怖く見られがちだけど、ここでしっかり叱れるのは偉いと思う。
その後の稽古で引きずって上手くできなくなるのはには笑った。
怒られた先輩の肩を叩くのに加減を間違えて強く叩いてしまったところで、自分の演劇部時代を思い出してしまった。
私も、公演で先輩の頭をひっぱたくシーンがあって、その時加減ミスって、本番で思いっきりぶん殴った事あったっけ
そして怪我のアクシデント、からのみなと君の活躍。
このみなと君役の人がよかった。
ハマり役っていうか、他のキャストよりセリフは少な目のはずなのに、存在感がすごい。
何年生なのか知りませんが
DJ松永風のイケメンの彼に今後も期待。
そして、ワクチンの副反応のせいで、主要キャストが大会に出られない事が分かり、落胆するシーン
「何か月かけてきたと思ってるんだよ!」
「この一年、思い通りになった事あんのかよ!」
ここでの叫びが、すべて胸に刺さった。
コロナで、世代問わず世界中の人たちが我慢して、諦めて、妥協しての繰り返しだったと思う。
私も、行きたいところも、見たいものも諦めてきた。
でもそれらは、いつでも替えのきくものだったから
30代の私はダメージが少ない。
でも10代は、替えのきかないものが多いのではないか。
何かで読んだが、今の高校生たちは昼休みも食事中は私語厳禁で
いわゆるフツ―の昼休みというのが分からないとのことだった。
高校時代の昼休みなんて楽しい事しか思い出せないのに、今の子らはそれすらも与えられないのだ。
こんな時代に、高校生たちはどんな思いで過ごしているのだろう。
この作品に出会えてよかった。
聴けてよかった。
この時代を生きる10代の叫びを。
最後は、多くを語らないで撤収する部員たち
(こーゆー終わり方、私好き)
その姿に、逆境に立ち向かっていく若者たちの心意気を感じた。
松山東高校演劇部の皆さん。
ありがとうございました。