テトラ小演劇祭~2日目を観に行った感想

芝居って、観ているだけでも体力使うのだろうか。

一日目が終わって、家帰ったあと何もする気になれなくて、そのまま22時に就寝

その日のうちに感想のブログアップしたかったけど、疲れていてムリでした。

さて、テトラ2日目。

この日は8時に起きてたので、10時開演の北高さんの公演まで余裕でしょ。

そう思ってちんたら準備していたら遅刻しそうになりました。

ギッリギリで会場入りして、事前にトイレにも行かず席に着いて、何とか間に合うも

開演の最中、我慢できなくなり、トイレに席を立つ始末。

他のお客さんに迷惑だし、演者さんにも失礼だから離席とかしたくなかったんだけど・・・

北高さん、めんご。

それでは感想。

①帯広北高校 ~それでも夕日は、いつかぼくらの放課後を照らす

部室にある謎のキャラクターのような物体?(説明がむずい)を

残しておきたい演劇部のみなみと、そんなもの片付けるべきだと主張するサッカー部のゆきち

「なぜあの物体にみなみは執着するのか?」

劇中、ずっと疑問だった。

けど、よくよく考えてみたら、高校生くらいの頃って、何であんなもの大切にとっておいたのか?

と今になって思い返す物の一つや二つあったものだった。

私なんて高校の頃、友達がティッシュに落書きしたものをクリアファイルに入れてずーっと大事にとっておいた時期があるくらいだし

傍から見たら、もう捨てたら?みたいな物に変な執着をしていた。

物を捨てたって思い出が消えるわけではない

けど、あの時の私は恐れていたのだ。捨てるという行為が。

友達の落書きや、それを過ごした時間を、捨てる事で無下にしてしまうんじゃないか。

そう思えて、すごく怖かったんだと思う。

最終的には二人の意見がひっくり返り、あの手この手と残すべき方法をゆきちが考えて、奔走するも、

最後は片付ける決心をしたみなみ

片付けているみなみの横で、ゆきちがリフティングをしている光景が

二人の方向性の違いをコントラストのように映していて好きなシーンだった。

10代の時分は誰にでも、自分の中のみなみとゆきちがせめぎ合う時期があるものなのかもしれない。

②三条高校 ~天災トラベラー

私が高校1年の時、高文連で三条高校の公演を観て、レベルの高さに衝撃が走りました。

高校生が、こんなすごいもの作り上げるなんて・・・チケット代とってもいいくらいだと思いましたね。

あの頃の十勝の演劇部員たちは、三条高校に憧れている人も多かったんじゃないかな。

そんな思い出があり、期待に満ちての観劇。

冒頭の記者会見の音声を聞いた時に、とても不思議な事に

17年前の三条の芝居を観ている感覚と重なった。

まるで、この物語の如く、17年前にタイムスリップをして、三条高校の芝居を観ているような。

あの頃のみなさんが目の前にいる錯覚をしたんだった。

17年前から受け継がれていった。三条イズムのようなものが、令和の部員たちにも叩き込まれている。

これが、伝統というものなのだろうか。

改めて、三条の底力を見せつけてもらった。

この作品では、主人公の博士は恋人を助ける為にタイムマシンを作ったが、タイムスリップをして恋人を助けるも、未来が変わり、博士はタイムマシンを発明した偉大な研究者ではなくなる・・・

試練が人を成長させるという普遍的なテーマなのだろうか、そういえば柏葉高校さんの死神でもそんなセリフがあったような(もう記憶がおぼろげ)

今の高校生は、コロナのせいで色々悟ってるんだろうな。

17年前は、こんな時代が来るなんて予想もしなかった。

でも、こんな時代にもかかわらず、三条高校さんはあの頃と変わらない演劇を観せてくれたのだった。

(タイトルの天災は天才と引っ掛けているのだろうか?)

③音更高校 ~コンプレックス&ダイバーシティ

音更高校といえば、18年前の高文連を思い出すな。(また昔話ですみません)

あの時の音更のメンバーは、とにかく笑いに走りたがってて、

「俺らは審査なんか関係ない、とにかく受け狙い路線で行く!」

そんな思いで高文連に臨んでいたらしかった(人づてに聞いた話)

なもんで変なコスプレをするわ、男は女装するわで、ステージ上でめっちゃふざけていた。

それを観た当時の高校生たちは、大爆笑。

私もめっちゃ笑ったし、まぁこんな公演もありなんじゃないか、と思っていたけど

審査員の皆さんはめっちゃ怒っていた。

「あんたらのやってる事は笑わせてるんじゃなくて、笑われてるんだよね!」

なんて言っていた。

私もそれを笑って観ていたから、自分も怒られている気分になったのでした。

そんな思い出もある中、臨んだ観劇。

18年前、あんなにふざけていた高校とは思えないくらい、いい芝居をしているではないですか。

内容は、演劇部の高校生たちの物語だったのですが

もっと良くしていきたい、頑張りたい、その思いが強ければ強いほど、対立ってしやすいよね。

どこでも起こりうる出来事なゆえに、これを観ている演劇部員たちも他人事とは思えなかったのではないでしょうか。

一人ひとりが役にハマってて、やっぱり高校生は、高校生をやった方が光るよね。なんて思ったり。

18年前から、進化をしていた音更高校さん。

このメンバーなら安心して審査員の皆さんに観てもらえると思います。

④帯広大谷高校 ~図書室戦争

私が高校生の頃って大谷高校が女子高から共学にかわってすぐぐらいな時期で、女子のイメージが強かったけど。

男子3人も出て来て驚かされた。

男3人衆がめいっぱいちょけてるけど、真剣にちょけてるから悪ふざけになってないので

そこが好感を持てました。

あと拡声器を持って叫ぶ感じとか、ああゆう振り切っている女子を観ているのは割と好きなもので。

大谷高校の皆さんの芝居感が好きになりました。

物事の進化、それに伴う不安、淘汰されていく物、そんなテーマを軽やかにエンタメに昇華させていた。

でも、演劇の審査員って、エンタメ性を評価するとは限らないからな~

劇中でも審査員のあり方にふれていたけど、大谷さんもそれで悔しい思いをしてきたんだろうか。

演劇はスポーツと違って審査基準があいまいだから、審査員の好みで勝敗が決まる、って言ってたけど、

まぁ、あながち間違っちゃいないような。

でも高校生が審査員の好みの作品を作るのは、だいぶムリがあるよね。

私も高校の頃は、審査員の価値観とギャップに、ジレンマを感じてはいたからな。

でも、今の大谷さんだったら、エンタメ性を追求しつつ、審査員を唸らせる作品を作る力はあると思った。

高文連への期待度NO.1ですね。

パンフを観る限りでは、脚本は顧問の先生が担当しているのかな?

いいな、面白い脚本書いてくれる顧問がいて・・・

⑤清水高校 ~放課後侍

ついに最後の演目。

男子二人芝居、男の子なだけあって、刀、ヒーローなどのワードが出てくる。

余談ですが、私は、テトラとか高文連だと1日目の2番目とか早い方の出番しか経験してこなかったので

トリって大変だろうなと他人事ながら思っていた。

だって、自分の出番を待ちつつ、他校の公演を観たって充分楽しめなさそうだし、2日間まるまる緊張しっぱなしとか耐えられない。

そもそも本番って緊張するし、セリフも走りがちだったり、いつもよりかたくなってたり、フツ―のびのびと出来ないものだと思うんですよ。

だけど、清水高の二人は、そういう次元で生きていないように見えた。

絶対緊張してないよねってくらいどっしり構えて、セリフもゆったり喋れてるし、

間もベテラン俳優かってくらいたっぷりとって、なんつーか、貫禄が高校生とは思えない(笑)

あの咳のくだり、アドリブ完璧だろ。

何年生なのか気になるも、パンフには書いてない。(何故?)余計気になる。

高文連も清水高校をチェックするので、その時は学年も書いてほしい。

以上、二日間に及ぶテトラ小演劇祭の感想でした。

全体を観て感じたのは、どこの高校も、部員の人数が減少傾向にあるな、と。

私の時代なんて、多い部だとキャストだけで10人前後いるとか、たいていの部はキャスト5~7人程度はいたものだけど、

少子化のせいか、コロナのせいなのか、ずいぶん減ったような。

ただ、レベルが落ちたとかそんな事は一切なく。

少数精鋭との言葉があるように、作品の質も格段に上がっているし、役者一人ひとりが輝いていたと思う。

少し寂しかったのが、かつて行われていた。上演後の質問コーナーとか、来賓の先生方の感想を聞けたりするコーナーがなくなっていた。

感染対策なのだろうから仕方ないのだが。

何せ一回上演が終わるごとにお客さん全員外に出て、空気の入れ替えをしなきゃいけないのだ。コロナが終わるまでそれは続くんだろう。

本当に、こんな状況の中、運営してくださった方たち、生徒の皆さん、お疲れさまでした。

また来年もよろしくお願いします。

迷惑じゃなければまた感想も書くかもしれません。

ありがとうございました。

Follow me!