劇団演研第82回公演「エダニク」を観た感想

また観劇してきたので感想レポ書くぞー

誰にも頼まれてないけど書くぞー

今回観に行ったのはこちら

劇団演研さんの公演「エダニク」

GWのテトラ以来の観劇になりますな。

演研さんは自分が高校の頃から知っていたものの、帯広から遠方に住んでいたもので物理的に観に行けず。

2年前音更に引っ越してからもやれコロナだ、仕事休めないだので観に行けず。

自宅から車で10分くらいの距離なのに、いつもいつも演研さん(+ミントカフェ)を車で素通りする日々・・・

近いのに遠い、そんな演研さんだったのに

今回

やっと

ようやく

観に行く事が出来ました。

そんな記念すべき初演研、第82回公演「エダニク」

これは食品加工センターの研磨室で起こる男3人のドタバタ劇・・・

(って自分は解釈しました)

食肉解体をテーマにしている芝居なんて観た事がないのでかなりそそられた。

入場して、パンフ類と変な形の鉛筆を手にワクワク

開演前の待ち時間、BGMが奥田民生の「花になる」だったのでテンションぶち上げ。

花になる、は高校くらいの時、ケータイか何かのCMでめっちゃ流れてたから、正直耳タコソングなのだけど。

久々に聴くといいなと思ったり。

からの「何と言う」

しみじみ聴いていたらBGMがフェイドアウト

「何と言う」を惜しみつつ、始まりました、エダニク。

場所は研磨室だけど、社員の休憩室にもなっているようで、登場人物の沢村はカップ焼きそばを食べつつ、玄田(ゲンダ)と粉末ソースのかけ方やらゆるく雑談。

二人は食肉解体の仕事に携わっており、雑談中、臭いについても語っていた。

沢村は仕事終わり、シャワーを浴びてから家に帰っているのだが、それでも小3の息子が自分に寄り付かなくなってきた、など

ベテランの玄田はもう臭いなんて気にならないようだったが、

この職についている人達のあるあるのだろうか。

ちなみに玄田は大阪出身の設定で、演じられた方もパンフによると京都出身の方なのだそう。

そのせいか、聞き惚れたわ

ご本人の役者としての発声もプラスされて、本当にうっとりした。

エーゴのかっこよさとはまた違う‟粋”があるよね、西の言葉に。

そんな二人の前に取引先の新入社員、伊舞(イマイ)が現れて・・・

と、これ以上は詳しい内容は書かない事にしよう。

もし演研さんが、エダニクを再演しようとした時に迷惑になりそうなので。

劇中、臭いについての描写や、伊舞が沢村、玄田に向かって

「やっぱり野蛮な人達なんですね!」

なんて差別的なセリフがあり、現場にいる人達の背負っているものを垣間見た。

そして、伊舞の牛が加工場に連れていかれる姿を語った時、胸がえぐられるような思いになった。

今まで知りえなかった情報だけに、聞いたショックは大きくて

何も考えないで肉を食べてきた自分に、今更罪悪感が湧いてきた。

家帰ってからも、あのセリフが頭の中を回ったけど・・・

これ、人類の永遠のテーマだよな。

誰と誰が議論してもずっと平行線になりそうなテーマだけど、それを軸に意見をぶつけ合い、(文字通り)どつき合う姿は圧巻だった。

今書いていて気付いたけど

伊舞が自分のところの動物を、ライン上の処理だけでなく、ひと手間加えた処理方法にこだわっていたのも、動物に対する誠意とか、弔いの意味もあったのだろう。

そのこだわりは、彼にとっての失いたくない正義だったのではないか。

玄田は動物に対して割り切った姿勢を見せていたが、同僚には仲間思いな面もあり

沢村は守りたい家族がいて

命をテーマにしているけど、それぞれの生き様も見せつけられた。

この1時間20分ほどの劇は、終わった後も考えこんでしまって、日をまたいでも自分に語りかけてくるのだった。

・・・

うん、いい芝居が観られた。

シリアスな感想ばかり書いてしまったが、実際は笑いありドタバタありの見ごたえのある芝居なんですよ。

演研さんは、秋にも公演の予定があるらしい。

また観に行きたいな。

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