あとがき~男水
猫宮の人生2作目、ギリシャ神話シリーズの次に書いたものがこの男水でした。
これは演劇大学で描いたものです。
「演劇大学って何なん?」と思った方のために説明すると、演劇系のワークショップの事です。大学みたいに色んな講座があって(基礎演劇講座とか発声講座とか)好きなものを選択して受講できるんですね。
講座によって3日間とか1週間とか期間もそれぞれ・・・私はその中の戯曲講座に参加しました。
戯曲講座は脚本の先生の指導のもと、3日間で短編脚本を書くんですね。
3日間の主なスケジュールは
1日目~18時集合、大まかな設定を考える、22時解散
2日目~ひたすら脚本を書く
3日目~11時脚本提出、完成した脚本を皆で台本読み、昼休みはさんで※成果発表
※成果発表・・・各々の講座でやってきたことを全受講者の前で披露する場、基礎演劇講座の人達はセロ弾きのゴーシュを披露してました。戯曲講座では代表して2作品選出し、台本読みを披露します。
お分かりいただけただろうか?一日目は夜スタートで設定考えただけだし、3日目の朝には提出しなきゃならんので実質書けるのは2日目だけなんです。
こんな短期間で完成させれるか自信なくて、不安いっぱいで参加してました。
そんなこんなで始まった演劇大学戯曲講座。
1日目は大まかな設定を考えるのですが、まず、脚本のテーマとなるキーワードの選出から始まりました。最初に参加者一人一人が好きなワード(名詞でも動詞でも)をどんどん言って、それをホワイトボードに書いていき、先生が参加者分(6人だったので6個)選出します。
選出されたのは、色鉛筆、涅槃(ねはん)、軟水、はじまる、やせる、おもちゃ
これを6人に先生の独断で割り振って、当てられたワードをテーマに脚本を書くという。
私に当たったのは軟水でした。
そんで大まかな設定を考えて、各々発表。その時に軟水の軟を”男”に変えてみたらどうか?と参加者の方にアドバイスを頂き、何となくイメージを固めました。
今になって思うのが、軟水みたいな名詞系のテーマって考えやすいのでは、と。逆にやせる、とかはじまるみたいな動詞系って難しい気がするんです。
私は他の参加者と比べて初心者だったから先生も気をつかってくれたのでは?と思いました。
そして、涅槃をあてられた人は、めっちゃ困ってました。
ま、言い出したのは私ですか。
そんなんで1日目は解散。
この時、家帰ってから少しでも進めておくべきだったけど、私は何もしなかったんです。
理由は、何かダラダラしたくなって・・・
そして迎えた2日目。
会議室みたいな部屋に閉じこもり、ひたすら脚本を書きまくりました。
途中経過、6人ローテーションで先生に見せて、アドバイスをもらいつつ、書きまくりつつ・・・全部が同じ部屋で行われるから、他の人のアドバイスも聞こえてくるんですね。
「○○君、脚本書くの上手くなったね~」
○○君は、戯曲講座2回目の人で、先生に成長を褒められてました。
「□□さんて、優しい人ですよね」
□□さんは、本人の優しい人柄を、作品から感じてもらったみたいです。
そして、自分の番になり、何言われるんだろー?と思っていたら
「猫宮さん、気短い?」
いや、まぁ、当たってるけどさぁ・・・
でも、アドバイスもらえて目から鱗だったし、すごくすごく勉強になりました。もう一回教えてもらいたいくらい。
で、2日目終了間際になっても、私は全然出来てませんでした。
他の人はすでに終わっていて、PC閉じてすました顔で座っているのに・・・私ときたら樹が登場する直前しか書けてない、やばすぎる状況。
何で1日目家帰ってからダラダラしちゃったのか、激しく後悔。
家帰って夜中の2時まで頑張って、ようやく完成ですよ。3日目の朝には無事提出できました。
3日目では、皆で台本読みをし、多数決で成果発表で披露する2作品を決めるのですが、実は私、自分の作品を誰かに読んでもらえる事がなかったので、内心ドキドキでした。
でも台本読みで笑いがおこった時、嬉しくて涙が出そうになりました。
そして多数決をとり、私の男水を選んでもらえました。もう一つは涅槃の人のが選ばれてました。
成果発表で皆の前で披露できて、ローカル局ですがラジオドラマの話もいただいて幸せ過ぎて何が何だか・・・
でも、選んでもらえたのも先生にアドバイスを頂けたからこそだし、私一人の手柄ではないんですがね。
男水は色んな思い出がありすぎてテーマとかキャラクター説明とかしてる余地がないくらい・・・
なのであとがきもこの辺で、最後まで読んでくれてありがとうございました。